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「三姉妹 雲南の子」 ここからは遠い世界の人生にただ祈るだけ幸せであれ

7月2日にDVDで
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◎「三姉妹 雲南の子」
(2012 香港・仏 監督:ワン・ビン)
本作は、ドキュメンタリー作家として
高い評価を得ているワン・ビン監督の作品でして、
中国国内で最貧困であると言われる雲南省山間部(標高3,200m)に暮らす
10歳、6歳、4歳の三姉妹の生活の様子を映した作品。
ワン・ビン作品はとにかく長いことでも有名で、
14時間とか9時間もある作品があるため、
興味はあるものの尻込みしてしまって未見でした。
(ワン・ビン監督の唯一の劇映画である「無言歌」は鑑賞済み
 2012年12月13日の記事を参照下さい)
しかしやっぱり見たかったので比較的短め(153分)の本作を鑑賞。
で、見てみたらその圧倒的画力にシビれました。
何の説明も無いまま映し出される雲南の寒村の風景。
大人の助けを借りずに逞しく生活する子供たち。
ドラマが紡がれるわけでは無く、ただただ生活の姿を映すだけ。
それだけなのに画面から目が離せない
脇で見ていた子供たちも画面に釘付けになっていました。
有無を言わせず人を画面に惹きつけるバッキバキの映像
そして、三姉妹の父親がバスに乗るシーンの
「カメラを持った人の運賃は?」という言葉で
ハッとカメラの存在に気付くKIN-G。
映像が映されているんだからカメラマンがいるのは当然なのに、
カメラマンの存在を忘れてしまっていました。
ワン・ビン監督の作風なのかカメラマンの存在が本当に希薄なのです。
まるで自分の目で見ているかのような臨場感は、
このカメラマンの存在感の無さから来ていたんですね。
映し出される三姉妹の健気な姿に胸が苦しくなるKIN-G。
普段親が不在である三姉妹は村でも肩身が狭そうで、
特に妹の世話をしている10歳の長女への風当たりが強い。
そんな環境でもシレッとした顔をしている長女の逞しさに感動。
(本作にて長女が哀しんだり嘆いたりするシーン無し)
KIN-Gが日々の暮らしを営んでいる日常からはあまりに遠く離れているため、
今後この三姉妹とKIN-Gの人生がクロスオーバーすることはないでしょう。
しかし、この三姉妹を知ってしまった以上、その幸せを祈ります。
撮影時より7年の歳月が流れていますが、
あの澄み切った空の下で少女たちは健やかに成長しているのかなぁ。
他のワン・ビン監督の作品も見よう。
特に「収容病棟」が見たい。

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