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「オーバー・フェンス」 狂っているから輝く感情が見たい

5月31日にDVDで
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◎「オーバー・フェンス」
(2016 日本 監督:山下敦弘)
を見ました。
本作は、人生いろいろとつまずいて失業保険を貰いながら
職業訓練学校に通う40過ぎのおっさん
鳥の求愛のモノマネが得意なエキセントリックなホステスと知り合い、
いろいろと自分の人生を見つめなおす人間ドラマ。
監督は鬼才から巨匠にクラスチェンジした山下敦弘
オダギリジョー演じる主人公が絶妙にダメなおっさん
山下敦弘お得意の愛すべきダメ人間ドラマになっているのですが、
それらを全てかっさらっていくのが蒼井優演じるヒロイン。
さっきはエキセントリックと書きましたが、
正直このヒロインは完全に狂っているキチガイです。
実際に居たら絶対関わりたく無いヤバ過ぎる女
しかしこのヒロインが物語をグイグイと引っ張り、
特段何が起こるわけでもない物語から目が離せなくなりました。
主人公とヒロイン以外の人物の描き込みも丁寧で、
一筋縄ではいかないグダグダやけど激烈な人間ドラマにシビれました。
オダギリジョーはほんまに味のあるええおっさんになったなぁ。
ナメた若者に静かにキレるシーンがほんまに良かった。
主人公とKIN-Gはだいたい同じ年頃のおっさんですが、
「浮浪雲」で渋沢先生も言っていましたが、
おっさんは本当に繊細な生き物なんです。
平気な顔をしながらギリギリの自我を必死に奮い立たせて生きているんです。
だから、本作のヒロインのおっさんのいじりかたを見て
相当な恐怖を感じたKIN-Gでした。
でも、物語の中では狂った人間が見たい。
狂っているからこそキラキラと輝く感情が見たい。
本作にはそんな人間の煌めきが詰まっていました。
ラストシーンもめっちゃカッコ良かった。

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