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「フリークアウト」 音楽&宗教が魂を救えないことをありありと映し出す音楽&宗教映画

4月1日にDVDで
フリークアウト.jpg
◎「フリークアウト」
(2011 日本 監督:矢口将樹)
を見ました。
本作は、弘願寺というお寺の2代目住職がリーダーを務める、
お寺で働く3人の知的障害者の住職を
ヴォーカルに据えたギャーテーズというバンドに密着した
ドキュメンタリー作品ということで、
「パンク・シンドローム」(2015.9.7の記事を参照下さい)
みたいな映画なのかなぁと思って見たのですが、
笑い泣き燃える熱い音楽映画だった
「パンク・シンドローム」とは全然違い、
障害者が音楽と宗教に翻弄される様子が見てて辛い映画でした。
映画が始まると同時にギャーテーズ存続の危機。
そして続くのは、知的障害者同士の罵りあい
弘願寺創設者である北朝鮮出身の韓国人和尚が放つ
キリスト教&仏教のチャンポン説法と政治的主張
見てて本当に嫌な気持ちになりました。
知的障害者の3人が住職をやっているのは生きるため。
音楽をやりたいのも女性と接触できるからという性的欲望。
そもそも3人の知的障害者にとって宗教も音楽も生活と欲望の手段。
宗教と音楽を利用し、宗教と音楽に利用される存在。
本作が持つ闇の深さに気分が悪くなりました
本作に登場する人たちはそれぞれ自分の主張なり行動なりが
正しいと思ってやっていることであり、
部外者のKIN-Gがそれをどうこういうつもりはありません。
しかし、KIN-Gには嫌悪感しか浮かびませんでした。
弘願寺の創設者とギャーテーズのリーダーの主張は正反対ですが、
KIN-Gには同じ穴のムジナとしか思えませんでした。
「ドッグレッグス」のアンチテーゼ北島とは覚悟の深さが違うと思いました。
(2015.2.27の記事を参照下さい)
3人のその後が映画の最後にテロップでサラッと流れますが、
そりゃそうなるわなぁという諦めと絶望が、
更に何とも言い難い後味の悪い余韻を残します。
あーあ、見るんじゃなかった。
音楽映画としても宗教映画としても最低の映画や。
悪趣味なドキュメンタリー映画としては最高やけど。

この記事へのコメント

  • ぱすてる

    お久しぶりです!
    この映画,知らなかったのですが,面白そうですね.
    近所のTSUTAYAには絶対置いてなさそうなので(^^;),
    ディスカスかDMMですね.

    「音楽&宗教が魂を救えない」というのはなかなか辛辣ですね!
    私自身は宗教はわかりませんが,音楽では救われたと思ったことが何度かあります.
    特に思春期の頃は音楽がすべてだったような気がします.

    最近,ポレポレ東中野で「ゴンドラ」を観ました.
    30年くらい前の作品ですが,AV監督のTOHJIROが伊藤智生名義で撮った作品です.
    とても幻想的で美しい作品でしたが,KIN-Gさんにはちょっと甘ったるい作品かもしれません(^^;).
    2017年04月05日 07:20
  • KIN-G

    ぱすてるさんへ

    KIN-Gもバンドをやっている時は音楽が全てだと思っていたし、音楽に救われました。
    当時のロックトランスフォームド状態を超える恍惚体験はもう今後の人生で訪れないと思っています。
    (匹敵するのは嫁の出産に23時間立ち会った時ぐらい)
    おっさんになった現在も、大森靖子やamazarashiの曲を聴き、毎日涙を流しています。

    ですから「アンヴィル!」とか「パンク・シンドローム」、
    「ストレイト・アウタ・コンプトン」などの音楽映画に魂を震わせるのですが、
    本作の音楽からは空虚な寂しさを感じてしまいました。
    思い切り冷や水をかけられた気分です。

    「ゴンドラ」は未見なので是非見てみたいです。
    しかしこれまた見る機会が限られた作品ですね。。。
    2017年04月05日 22:28